ひきつけ
子供さんが高熱を出したら、ひきつけを起こしたらと心配されるお母さん、お父さんがいらっしゃるとおもいます。よく診察中に質問も受けます。しかし、高熱をだしたからと言ってみんなひきつけをおこすことはありません。
4〜5歳ぐらいまではまだまだ脳の発達が未熟なために、急な体温上昇に脳が対処できず、ひきつけをおこしてしまいます。これを熱性けいれんといいます。
熱性けいれんをおこした子供さんは叙々に熱が上昇したのでなく、ひきつけをおこしてからおでこに手をあて熱に気づくこともよくあることす。
ご家族の方は、ひきつけを子供さんが起こすとびっくりしてしまって、パニックになるのですが、心を強くもって冷静に対処してください。
以下に緊急を要する場合と心配ない場合を記しておきます。
参考になればとおもいます
心配のないひきつけ
ひきつけのほとんどが「熱性けいれん」です。
38度以上の高熱時や熱の急な上昇の際起こりやすく、数分〜10分程度でおさまります。けいれん後1〜2時間寝ることがあり、おちついてから小児科を受診してください。あわてることはありません。けいれんを何分ぐらい起こしていたか・目はどうだったか・手はどういう状態だったかなどしっかりメモして受診してください。
「泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)」
かんじゃくを起こしたり、大泣きをしたときに息がとまったようになり手足がかたくなり、からだが弓なりにそります。息を止めているので顔色が真っ青〜赤黒くなりますが、1分以内に呼吸が戻り、顔色もよくなります。お心配な時は落ち着いてから受診してください。
泣き入りひきつけのなかには、ほとんど泣くことなく、いきなり
顔色が悪くなり意識がなくなることがあります。
びっくりしたなどのきっかけでおこります。
緊急な場合 →救急車を呼んでください
●体の片側だけ強くひきつける。
●けいれんが治まってからも、意識がはっきりしない。
●熱がないのにひきつける。
●小さな音や光に反射的に体をそらせ、全身がけいれんする。
●熱があり、短時間に何度もひきつけを繰り返し20分以上続く。
●熱性けいれんが10分以上続く。
注意してください
熱が上がる時、大人でもぞくぞくしぶるぶる震えることがありますよね。子供さんも同じで悪寒といって体がぶるぶる震えていることがありますが、これは、ひきつけではありません。ひきつけは、リズミカルに硬直します。目の玉も上をむき、けいれん時意識がありません。間違わないでくださいね。